2013年百万石菓子百工展

いもり坂をのぼって 

百万石菓子百工展に行く。会場は金沢城公園である。そこは40年前に私が通っていた金沢大学があったところ。そこで昔の通学路を歩いて会場に行くことにした。(5月3日書き込み) 



百万石菓子百工展2013 

イベント名は大袈裟だが、出店数が少なく、「百工」は看板倒れといわざるを得ない。どうしたのだろう、これでは菓子どころ金沢の名折れになるのでは。天気も良いので、気を取り直し、珍しいお菓子を探してみた。企画の「武士の菓子司」とは、加賀藩の料理人であった青木秀枝が残した料理メモを、落雁の諸江屋が再現したもの。企画意図を理解しないわけではないが、いまの人がおいしく食べてナンボでしょう、と突っ込みのひとつも入れたくなる。(5月4日書き込み)


こんなお菓子を買いました 

先ずは、企画展「武士の菓子司」に出店した、落雁の諸江屋(もろえや)の「金沢城二の丸御殿・御献立菓子」。4種の菓子は、山椒餅(さんしょうもち、求肥、あまり山椒を感じない)、源氏こう(げんじこう、落雁、源氏香の図を型抜きしたもの)、胡蝶糖(こちょうとう、有平糖=あるへいとう)、すあま(大豆粉)。スクエアなパッケージが老舗らしくて好印象であるが、開いたときが「間抜け」でギャップあり。 

*注

「源氏こう」の「こう」の漢字は、米編に、つくりは姜の下の女をよってん(無の下の4つ点のこと)に差し替えたものを組み合わせる。

 

七尾の大豆飴(まめあめ)は「すはま」であり、七尾の郷土菓子といわれている。このハンディーなパッケージは七尾の菓子屋さんで共同開発したもの。オシャレで良いのだが、まめあめを知らない人はどう感じるだろう。箱が破れないように、きれいに開けるのも難しい。

俵屋の飴。抹茶の味なので試しに買ってみる。飴を俵のカタチにしているところがカワイイ。包み紙の色合いもきれいだが、包み方が乱雑で興醒め。人にはあげられない。

 

加賀かきもち丸山の「黒豆の豆つなぎ餅」「大豆の豆つなぎ餅」「ごまつなぎ」の餅3種。1枚ずつパッケージされていてトライアルユーザーには買いやすい。インパクトの強さに惹かれて購入した。食べてみると、なにが狙いなんだろうと、首をかしげてしまう。

 

行松旭松堂(ゆきまつきょくしょうどう)の雪花糖。たぶん「せっかとう」と読むのだろうが、ルビが振られていないので不明である。松葉と鮎をあしらったクラシカルな包装紙、こういうのを変わらぬ良さというのだろう。でもワクワクしない、と言ってしまうのは、ないものねだりか。

 

越山甘清堂(こしやまかんせいどう)の金城巻・大野庄・伊予柑(きんじょうまき・おおのしょう)。大野庄は武家屋敷のある長町を流れる大野庄用水からの発想だという。どうしてそれが伊予柑の風味なのだろう。良い香りではあるのだが、もっと地元性を出したらどうだろう。武家屋敷では果実のなる樹木の栽培を奨励されたという歴史もあるのだから、そのあたりを活かせないだろうか。

 

最後の1枚は北陸製菓でいただいた非売品のムーミン煎餅。北陸製菓はフィギュアの海洋堂と提携してムーミンのビスケットを製造している。それで女房がムーミンフリークなので、ムーミンのフィギュアが6体も同封されたビスケットを買ったら、オマケでくらたもの。折れないように持ち帰るのに苦労した。

(5月4日書き込み)

 


コピ・ルアック(ジャコウネコのコーヒー) 

百万石菓子百工展を見たあとに、金沢城公園を黒門から外に出て、「金沢屋珈琲店本店」に行く。前々から女房に勧められていたコーヒー専門店。落ち着ける店だというので行ってみた。黒門の前にあり、店内から大手堀を眺められる。テラス席が気持ち良さそうだ。焙煎機や生豆の入った木樽があるのも専門店らしい。良い店である。ならば一番高いコーヒーを、と思い注文したら、映画「最高の人生の見つけ方」(2007年、ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン)に登場した、あの「コピ・ルアック」だった。香味はどうだろう。やわらかくて、あまり渋みがない。要するにパンチが足りないのだが、ミルクを入れたらコクが出た。また飲むかと聞かれたら、値段のこともあるし、どうだろう。私には話のタネだけで良い。

 


たんぽぽのお酒 

金沢城公園でタンポポを見つけたので、20本摘んで「タンポポのお酒」にしてみた。同名の小説は、気になりながらまだ読んでいないので、もしかしたら、小説とまったく違うお酒になるのかもしれない。昨年の「加賀の紅茶のリキュール」以来、新しいリキュールづくりをずっと考えていて、ふと漏らした「タンポポのお酒」という言葉の鮮烈さに我ながら驚き、春になったらぜったいに造ろうと思っていた。ようやく願いがかなったわけだが、鮮烈なイメージに見合ったお酒になるのか、楽しみである。 


武士のお菓子 

百万石菓子百工展で見落としていたのが表記の企画展です。それに気がつき、本日(5月5日)、もう一度行って来ました。会場は同じく金沢城公園ですが、「河北門」の中で展示していました。

藩政時代、金沢城の二の丸には台所があり、そこでお菓子も作られており、そのレシピ集「御菓子製造控」には300種類ものお菓子が記録されているとのこと。今回はその中から季節の行事や祝い事に関係したお菓子を再現し、展示しています。落雁の諸江屋さんが作られました。

たまたま諸江屋さんのご当主、諸江吉太郎さんが会場に居られたので、藩政時代の砂糖はどこで調達したのかなど、初歩的な質問をしたところ、丁寧にお応えいただきました。やはりご専門の方のお話は聞くべきですね。

諸江さんには「加賀百万石ゆかりの菓子」という著作もあり、そこには写真も豊富に載っていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。(5月5日書き込み) 


辻口博啓パティシエの庭カフェ 

百万石菓子百工展でもうひとつ見落としたのが「庭カフェ」である。辻口博啓パティシエの洋菓子と加賀棒茶をいただけるもので、鶴丸広場でやっていた。きちんと調べ、計画を立ててから行くべきと、あらためて反省。でも、2回来たことを喜ぶべきかもしれない。ともかく、このカフェは絶品であった。最初にこれを体験したら、百工展の印象はガラッと好転していただろうに、と思えるほど。締めにこのカフェを持って来ることができたのはラッキーというしかない。いただいたのは「カルメン」と「エーグル」であるが、どちらも甘み、酸味、良い香り、滑らかさなど、全てが詰まっている。エーグルを載せたお皿が、女房が追っかけている陶芸家、山下紫布(やましたしのぶ)さんの作品であったのも、好感度アップにつながった。ただ、バイト店員のお嬢さんたちはスイーツの正面を分かってなくて、撮影するときに置き直したのは、どうもね。というわけで、2日間にわたる百万石菓子百工展のリポートはお仕舞い。