2016年(H28年)の塾


9月17日(土曜日)。羽咋の「洞谷山・永光寺(とうこくさん・ようこうじ)」で、いしかわ地域づくり塾を受講しました。講師は谷内博史さん、講座のテーマは「地域づくりと対話」。アクティブラーニングやU理論という新しいコトに触れました。スキルの研修ではありません。対話の必要性に気づくことが狙いだったように思います。住民参加の地域づくりでは「対話」が大切であるとされていますが、私自身が本当に対話していたのだろうかと、考えさせられました。

なにをしたかというと、人の話をだまって聞き、その話から感じたことを、話した人に対してイメージで伝えることです。この体験は新鮮でした。

人の話を聞くときには、その内容を理解するために、自分の価値観や思考法に当てはめて聞こうとします。そのため、私から返す言葉は、私の意見になります。これは議論です。

これに対してこの研修では、感じたことをイメージで返すというルールがありました。すると、聞く姿勢も考えるよりも感じる方に切り替えることを余儀なくされます。すると不思議なことに、聞こえ方が違ってくるではありませんか。

ワークショップを初めて体験したとき、もう20年以上前になりますが、そのときには、住民の語る言葉の奥にある「真意」に耳を傾けよう、と自覚したのですが、それを思い出しました(初心を忘れるな!)。

住民参加の地域づくりに求められている「対話」とか「対話力」は、議論やディベート(討論)のことではない。議論をする前に信頼感を醸成することが必要。それを対話という。というようなことに思い至りました。これが本日の成果です。

 

 

8月21日(日曜日)は加賀市の蘇梁館(そりょうかん)で「いしかわ地域づくり塾」を受講。講師は「過疎と戦うインターネット古書店」を経営している尾野寛明さん(34歳)。彼の活動報告は刺激的でした。刺激的というのはカッコつけた言い回しであり、ホントのところは、理解不能でした。新しい才能と遭遇したというのが実感です。活動報告の概要は次の通り。①インターネット古書店の経営。19歳で創業、専門書に特化、都内から維持管理費の安い島根県に移転。書店の作業員として障害のある人を雇用。②障害のある人の雇用部門を分社化、就労継続支援A型事業所の許可。古書店での就労以外に、地域の農業に季節労働者として派遣(就労支援×農業支援)。③全国12箇所で「地域づくり塾」を運営。

特に3番目の「地域づくり塾」の運営には、重要な示唆があります。私も、少ないながらも各地に地域づくりの講師として派遣されます。しかし、それはスポットでしかなく、同地の地域づくりにつながっているかというと、心もとないものがあります。それに対して彼は塾の運営者として継続的な関わりをつくっています。そして、塾修了者を送り出し、彼らによる成果が現れています。この一連のプロセスが見事だと思いました。

さて、いしかわ地域づくり塾は株式会社御祓川(みそぎがわ)の森山奈美さんが主任講師を務め、年間のカリキュラムを作成しています。彼女の立てたカリキュラムは「マイ・プラン塾」。塾生がプラン(事業プラン、人生プラン他)を立て、それを実践活動に結ぶつけるものです。このあたりが尾野さんの運営される塾とも重なるところがあり、期待しています。(22日書き込み)

尾野さんのプロフィールはここにあります。

 

http://www.eco-college.com/column/


2015年の塾

「石川地域づくり塾」募集開始

 

今年も「石川地域づくり塾」を開講します。北國新聞に募集の告知が載りました。詳細は石川地域づくり協会のサイトに掲載されています。地域づくりに興味のある方の受講をお待ちしております。

(石川地域づくり協会HP)
http://www.pref.ishikawa.jp/shinkou/dukurikyou/02_chair.html

さて、塾のカリキュラム作成も私の仕事ですので、その考え方などを記します。

 

 

 

1.    石川地域づくり協会の現状と課題の整理

●地域づくり活動が定着する一方で固定化の気配も見える

協働のまちづくりの普及

NPO(市民活動団体)の定着

*地域づくりの新機軸がなかなか台頭してこない現状

●地域づくりの新しい世代の登場

大学生のインターンシップ

地域おこし協力隊

地域にとらわれないテーマ型市民グループの台頭

東日本大震災を契機にしたボランティアの登場

*地域づくりの「無党派層」を取り込めない石川地域づくり協会

●少子高齢化、過疎化、人口減少の常態化

  *「常態化」に有効な手を打てない地域づくり活動

*「自治体消滅」の脅しに有効な反論ができない地域づくり思想

■導き出せる課題

「地域に新しい価値観を創造する地域づくり思想と地域づくり人」

 

2.    地域づくりに求められる「リーダー像や人材像」への疑問

「地域づくりは人づくり」という常套句に、そもそも嫌悪感を抱いています。

人をつくることができるのは女だけである、というのは置いておくとして。

人をつくるなどという大それたことを、人にできるはずもないのです。

人は、誰かにつくられるのではなく、自らの意思で育つものであると考えます。

  ●地域づくりの多様性に応えられる「地域づくり人」を

リーダーに多様な資質を求めるよりも、多様な人材を使いこなせる資質を

(コーディネートやファシリテートの能力)

 

3.いしかわ地域づくり塾のコンセプト(昨年同様)

地域づくりの「持論形成」をうながす塾

・塾生から学ぶ(共同作業)

・事例から学ぶ(現地視察、先発事例の学習)

・発表することで学ぶ(報告書の作成、地域づくり論の作成)

4.    H26の「塾」の反省点

●公開講座への一般参加がH25よりも増えた

・告知が早めにできた。facebookなどを活用できた。

・塾に魅力がでてきた。講座のテーマが分かりやすかった。

・塾生が誘ってくれた。塾生の協力が得られた(相互連絡など)。

●県内巡回型の評価

・ご当地からの参加が少なかった。地元自治体の協力が得られなかった。

・地元市町との連携不足。事務局からの連絡徹底、講師に任せない。

・次年度も継続すべき(県内各地を視察することは必要)。

・開催地域の課題解決には結びつかなかった(●●市、コーディネート不足)。

  しかし、これが契機で全国大会へのエントリーに繋がった。

 ・志賀町(農家民宿こずえで開催)は地域課題に何らかの影響を与えられた。

農家民宿の女将さん奮闘記を期待した受講者には不満が残った。

・加賀市(竹の浦館)は盛り上がりを見せた。地元参加はなかった。

これが円陣2014のエントリーと全国大会エントリーに繋がっている。

●講師の育成

・協会コーディネーターに講師をしていただき、活動の場をつくることができた。

・塾修了者が講師を務め(川北さん、梢さん)、フォローアップ研修にもなった。

●修了者が多かった(単位制)。塾生が互いに励ましあった。

●「塾」と「協会」との関係が希薄になっている。

・修了式や交流会に運営委員が出てこない。

 ・塾修了者を運営委員になってもらい、関係を深めようとしている。

 

5.    H27年度の「講座のテーマ」(原案)

 ●開講講座「地域づくりの目標設定」「地域づくりのシステム開発」(1泊研修)

 ●地域づくり全国大会にスタッフとして参加(石川県で開催)

 ●修了式(金沢市)塾生による修了レポートの発表

●福祉のまちづくり(津幡町)津幡町地域包括支援センター

●商店街のまちづくり(加賀市)山中温泉南町ゆげ街道振興会

●イベントと地域づくり(七尾市)能登島てまつり

●クラウドファンディング(野々市)ピースバンクいしかわ

●農商工連携と地域づくり(金沢市)

●連続講義「地域づくり論」(金沢市)協会コーディネーターや塾修了者を講師に

 (平成27年5月15日書き込み)


2014年 いしかわ地域づくり塾修了式

昨日は「いしかわ地域づくり塾」の修了式でした。昨年6月から本年1月まで、月一回研修を受け、2月には修了リポートを提出するもの。塾生の大半が有職の社会人なので、このカリキュラムはハードです。それを見事にクリアした7人に修了証が授与されました。おめでとう。おつかれさまでした。

修了レポートで塾生が共通して触れていたのは、塾生が自主的に開いていた研修後の「反省会」です。研修のあった当日に喫茶店などに集まっていたそうです。そして、回を重ねる度に意見交換のレベルが飛躍的に高まってきたとのこと。私は主任講師として塾のカリキュラムを作成しましたが、これは想定外の嬉しいハプニングでした。

地域づくり塾は普通ならリーダー育成を目標に掲げ、ワークショップやワールドカフェやファシテーターや協働のコーディネーターなどのスキルを教えるのでしょう。しかし、いしかわ地域づくり塾では、そうしたスキル研修は他に任せることにして、塾生自身が地域づくりの「自論」を打ち立てることを目標にしました。塾生もそれを理解しており、修了レポートでは地域づくりを自らの仕事の中に位置づけていく決意を聞くことができましたし、修了式のあとの茶話会でも熱い議論を繰り広げ、論客ぶりを見せつけました。

これで今年度事業のひとつが終了、ほっとしています。(H27年2月15日書き込み)


2012年 いしかわ地域づくり塾(H24年)

平成24年のいしかわ地域づくり塾が開講しました。石川地域づくり協会の事業で、地域づくり団体や活動のリーダー育成を目的に、来年の2月まで、月一回のペースで研修を行います。塾生は15名。洋菓子屋、学生、農家の嫁、ヨガインストラクター、女性マーケター、信用金庫、土木コンサル、自治体職員など、思った以上に多様な顔触れになりました。私は主任講師を務め、カリキュラムを作成しています。昨日(6月9日)は開講式に引き続き、森山奈美講師が塾生の「目標設定」のワークショップ、本日(6月10日)は濱博一講師が前日に立てた目標を達成するための企画書づくりのワークショップを行いました。塾生にはそれぞれ受講動機と地域づくり活動で達成したい目標があるわけですが、「塾」でそれらを個別にフォローすることは難しいまでも、少しでも応援できればと考えています。本日、第一回の研修を終え、塾生の能力の高さに、手ごたえを感じているところです。(6月10日書き込み)