コピーライターです


新聞ネタの整理●輪島の産廃処分場問題(備忘録)

輪島の産廃処分場問題(北陸中日新聞、H29年2月4日~6日)

問題点は3つ

  大釜地区の住民が地域の将来を考えて産廃処分場の導入を決めた。

(住民自治)(2006年1月)

輪島市都の合併の一週間前に門前町長が突然発表した(ブログより引用)

(合併発効は2006年2月)

  輪島市議会が過去二回も反対の決議をしたにも関わらず、

2016年6月に下水道事業が決議され、産廃計画は事実上容認された。

  過去の反対決議は、迷惑施設を作りたくなどの意思が働き、かつ、

それを後押しする、住民の署名活動もあった。

この時点で輪島市は産廃導入に態度をはっきりさせず、

結果的に、大釜地区の住民決議は無視された

(多数決の論理)(住民自治が無視された)

後半の賛成決議は「輪島市民不在」、行政手腕で議決させた

  2月19日の住民投票のボイコット運動

市長が投票に行かないのも選択肢のひとつだと発言。

類推するなら、梶市長は最初から産廃導入する計画を持っていて、

10年かけて、実現にこぎつけたといえる

 

だが、そのために払った代償は大きい。住民自治をないがしろにした。

10年前に、辺境の小さな集落(大釜)の住民の意思を無視した。

そしていまは、産廃反対派市民に対して、投票ボイコットで、牽制している。

 

輪島市民は、なぜこのような状態になったのかを、よく考えるべきである。

いまからでも遅くないので、よく話し合うべきである。

それは産廃への賛否といった単純な論争ではなく、

輪島の将来像について、様々な立場の輪島市民で意見交換をすることである。

輪島のまちは、周縁部の限界集落と経済的な中心地である市街地とで構成されているが、

どちらも輪島には必要なものである、との共通認識に立つ必要がある。

人口減少社会は、輪島だけの問題ではなく、日本全体の問題である。

もはや輪島だけが条件不利なのではない。日本全体が条件不利、すなわち、人口減少からすると、東京も輪島も同じ立ち位置、との発想を持つべきである。

早く気がつき、早く手を打ったものが、先に行ける。

 

そういう時代の変わり目にすでに入っている。(平成29年2月8日書き込み)


トランプ大統領(新聞記事整理・防備録)

●1月23日 就任演説について3人の識者の解説

①柳沢協ニ氏(元官房副長官補)

 米国独り勝ちの発想は世界平和につながらない

 リーダーの役割は富と名誉と平和を脅かす恐怖からの自由を分かち合うこと

 従来の「日米一体化で平和を守れる」は変化する

 対米一辺倒ではないバランスのとれた防衛政策を

②水野和夫氏(法政大学教授)

 米国経済の没落が目に見えている(米国が強くならないことがいずれ分かる)

 米国が世界と関わらなくなる⇒日本とも疎遠になる

世界経済が地域ブロック化する⇒近隣との関係を深めるべき

富のグローバル化は終わり、近場でまかなう経済に変わる

トランプは意識せずに資本主義の幕を下ろし始めている

③エズラ・ボーゲル氏(アメリカ・社会学者)

トランプは大雑把で未熟、統一性のある理念を持たない⇒不確実な時代になる

理想を欠けば米国の地位が落ち、

パックスアメリカーナ(米国中心の世界平和)はなくなっていく

米中関係が心配、貿易戦争が起こる

TPPの離脱は中国の影響力を高める、一帯一路(シルクロード経済圏)

米国の凋落、中国の影響力が増す

資本主義の終焉、近場でまかなう経済に(どうして資本主義が終わるのか?)

 

●1月30日(三浦瑠璃氏、国際経済学者)

演説の3ポイント

・ワシントン政治(首都のエリート達のための政治)からの決別

  ⇒人民に権力を取り戻す

・経済のナショナリズム

・Think Big(大きな発想を持て)

多様性の政治から共通性の政治への転換

・オバマが強調したエスニシティー(≒民族性)から

・トランプはナショナリティー(≒米国人性)へ(軍隊の価値観を強調する)

・インフラ投資や医療保険に競争導入はリベラル側の民主党のやりたかったこと

・トランプはナショナリティーと愛国主義で中道の経済政策を展開しようとしている

多様性の政治=調整するばかりで前に進められない政治のことか

共通性とは普遍性のことではなさそうだ(共通の価値観≒儲けなくてはいけないとか)

(平成29年2月3日書き込み)

 

 


カフェの紹介は難しい

 

8月20日(土曜日)。地元ネタです。本日発売されたタウン情報誌月刊「金澤」9月号でおいしいお茶が飲める店の小特集を載せています。女房が購読しているので、見せてもらいました。残念ですが、ピンときませんでした。喫茶店やカフェの紹介記事の難しさを改めて感じています。記事はそのお店の特徴を紹介しなければなりません。たとえば提供している飲み物で特徴を表現しても、それが最高級のダージリンであろうが、流行のフレーバード・ティーであろうが、ティーカップの写真を載せるしかありません。これがケーキ屋さんなら、ケーキの写真で美味しさを伝えることは可能なのですが。では、どうしたらいいのでしょう。静岡在住の紅茶ライター、奥田実紀さんが書いた「紅茶をめぐる静岡さんぽ」(2015年11月発行)を開いてみました。やっぱりお茶のプロは視点が違います。静岡の喫茶店を訪ねる機会もないので、読まずにいたのですが、電車賃払ってでも、お店に行きたくなりました。短い紹介文の中にも、経営者の考え、紅茶がいかに好きかを、きちんと書き込んでいるからです。奥田さんに比べたら私は3ランクダウンのコピーライターですが、金沢に住む者として、もっと頑張らねばと反省しました。新幹線金沢開通以降のざわざわした金沢を見て、私は「金沢のまちを丁寧に語ることができる人になろう」と決意しました。もっと頑張ろう。

 

 


1998年の仕事「福井地酒物語(NTT電話帳に掲載)」

 

Facebookに掲載されていたある飲み会の写真に福井の地酒「舞美人」が写っていて、この酒蔵(美川酒造場)とどこで知り合ったのかを考えていたら、この仕事であったことを思い出しました。18年前に書いたものです。こんなのを思い出すのは、どうかしているからかもしれません。読み返してみると、文章に「作為」が見えますが、「熱意」も感じます。(平成28年4月22日書き込み)写真をクリックすると文字が読めるサイズになります。


「お多福のだし」を新発売! 

 

商品化のお手伝いをしてきた「お多福のだし(商品名は創業明治四十三年まちのうどん屋お多福のだし)」が完成。そのお披露目会を本日、お多福小橋店で開きました。関係者、グルメライター、マスコミの方などに集まっていただき、この出汁で作った「たまご丼」「いなりうどん」そして、なんと「チーズケーキ」の試食を行いました。評判は上々、商品名の通り「まちのうどん屋さんの味がする」とも言っていただきました。嬉しい限りです。この出汁は本日から市内のスーパーとお多福のお店で販売します。私見ですが、福井がそば、富山がラーメンとするなら、金沢はうどんのまち。それを担っているのが“まちのうどん屋お多福”です。その特徴は、かつてはどこにでもあったまちのうどん屋、かもしれませんが、お多福は金沢にしかない、百年続くまちのうどん屋です。金沢に来て、うどんが食べたいと思ったら、ぜひお多福にお立ち寄りを。27店舗あります。そして、お土産にはこの「出汁」を。(3月23日書き込み)

仙台で「表彰式」に参列

 

「東北復興ビジネスコンテスト2015」の表彰式に参列するために仙台に来ました。私が受賞したのはアイディア部門(アイディア提供するだけ)です。アイディア部門の受賞者は4人で、そのうち2人は高校生男女。受賞式の後に開かれた、この受賞者4人と関係者を交えた意見交換会で、高校生の存在に大いに刺激されました。アイディア部門は4つのテーマがあり、私はそのうち二つのテーマに応募し、ひとつが採用されました。そのため、不採用になった方のアイディア(間伐材の活用)を、採用された女子高生のアイディアと比較することができるわけです。実現可能な私のアイディアに対して、彼女のアイディア(間伐材をネクタイにする=モクタイ)は、試作したクライアントも言っていたように、商品化は難しいのですが、類似したものがなくて、なにかワクワクさせるのです。このワクワク感をクライアントが評価したのでしょう。技術的に困難と思われる商品化も数年後には実現するかもしれませんし。商品開発に大学生や高校生の意見を取り入れることに、私はこれまで懐疑的だったのですが、少しものの見方が変わりました。得難い体験です。写真は主催者からいただいたものです。(表彰式は平成27年10月12日、この記事は10月14日にアップ)


映画「一献の系譜」


映画「一献の系譜」の上映会が9月6日、主計町の「SAKEBAR KAZOE」で開かれ、夜の部に参加しました。能登杜氏の酒造りのドキュメンタリーで、監督は石井かほりさん。彼女も来られていました。映画は本年3月に完成し、能登地区での上映を皮切りに順次全国各地で公開されているようです。石井監督は、映画に登場したお酒をその場で飲むという上映会は初めて、と挨拶されました。贅沢な時間です。

タイトルに系譜とあるように、この映画のテーマは「未来への系譜」だと思います。能登杜氏伝承の技を、あるいはお酒を、どのようにして未来に伝えるか。能登杜氏の2年間を追いかけ、何人もの名杜氏の証言も交え、それを描き、問いかけています。

この映画の一番の手柄は、大吟醸を造っている最中の酒蔵の作業風景を記録したことです。私自身は何度も酒蔵見学をしてきましたが、酒造りの最盛期は避けました。一度だけ近所に行ったついでに造り真っ最中の酒蔵を訪ねたことがあります。割と親しい酒蔵なのですが、いつもはにこやかな杜氏さんが目を吊り上げてこちらを睨んだので、直ぐに退散しました。いわば戦場なのですね。その戦場に、石井監督にとっても戦場なのでしょうが、カメラを持ち込みました。そこで記録されたものは、残酷なくらいに生々しい、酒蔵の「空気」と「人間関係」でした。

サプライズは、昨年末に他界された中島酒造店の中島浩司さんの姿が写っていたことです。研修会で受講されているシーンですが、能登半島地震で倒壊した中島酒造店の酒蔵を訪ねた時のことなど、いろいろな思い出が蘇りました。

映画のクライマックスは宗玄の坂口杜氏が大吟醸を仕込んでいるところです。坂口さんの息子さんによる米麹づくりも、見ていて緊張しましたが、もろみ経過が最終段階、もう一息で搾れる、というところで止まってしまい、杜氏が「分からん」と考え込んでしまいます。ここで緊張感はマックスに。だって、お酒が出来ないと、映画は終わらないのですから。そこで坂口杜氏は、ほんのわずかな量ですが、もろみに加水をします。

画面はここで翌朝に切り替わります。翌朝、撮影クルーが酒蔵に行くと、搾りが始まろうとしていました。加水が功を奏し、もろみの酵母が再び活発に働き出し、ひと晩で目標の日本酒度に達したのです。ドキュメンタリー映画の神が降臨したというしかありません。

書きながら、ここまでばらしていいのか考えましたが、このときに造った宗玄大吟醸を飲むことで映画は完結するのですから、書くことにしました。でも、上映会のあとに利酒した宗玄大吟醸のことは書かないことにします。

さて、テーマに戻ります。杜氏さんはお酒を作る人と技を未来に伝えようとしていますが、私には「未来への系譜=未来につなぐもの」があるのでしょうか。それを考えることにより、この映画が意味を持ってきます。

溢れるほどたくさんのものに囲まれていて、そのほとんどが、私がいなくなると意味を失います。なんでしょうね、残すもの、伝えるものって。

写真は「SAKEBAR KAZOE」。窓を外して浅野川の川風をいれました。もう秋の夜長です。ピントがあっている二人の女性は、石井監督(右)とこのお店の高木店長(左)です。(上映会は平成27年9月6日、書き込みは9月9日)


日本酒の輸出

新聞ネタです。日本酒の輸出の記事がまた掲載されていました。日本酒が輸出されている直接的な理由は国内販売が伸び悩んでいるからです。英国のスコッチ、フランスのワイン、アメリカのバーボンなど、先進国の伝統的なアルコール飲料は、母国での販売不振を輸出でカバーしようとしています。バーボンは国内人気復活とのニュースもあるようですが、それはともかく、日本酒も英米仏と同じコースを歩んでいます。さて、日本酒の輸出が減ろうが増えようが、日本人が日本酒を呑むことにはなんの影響も与えません。とはいうものの、何らかの意味はないのか、それを考えました。ひとつは海外に輸出できるほどの優良企業が地元にあることを誇らしく思うことでしょう。地域自慢ですね。これが地元産の米を使っているお酒であったら、地元米農家にとっても嬉しいことに違いありません。日本人に一番影響を与えるのは有名なコンテストで金賞をとることです。IWC2007(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で菊姫の「鶴乃里」が純米酒部門で金賞をとったときの「大騒動」を今でも覚えています。それは兎も角、評価の逆輸入が起きます。で、この評価の逆輸入を最近、そう悪いことではないと思っています。ワインを飲んでいる人間に日本酒が分かるか、という思いはどこかにありますが、日本人にワインが分からないかと言うと、それなりに分かるわけで、美味しいと感じたことをシェアするのはいいことだと思うようになりました。大袈裟に言うと国際理解。日本酒の輸出は日本文化のシェアに繋がっています。ただね、本当にシェアするためには、「クールジャパンはすごいだろ!」とひとり悦に入っているだけでは足らなくて、こちらも欧米の価値観を理解しようとする姿勢が要ると思います。(読売新聞・7月10日・石川版・7月11日書き込み)

 

新聞ネタを3本。いずれもお酒に関わることです。

その1.WHY(理由)を言ってくれ

県工業試験場と酒蔵とで共同開発している「花酵母」のこと。昨年は金沢のやちや酒造が兼六園の桜から採取した酵母で、今年は小松の西出酒造が白山高原植物園のハクサンフウロから採取した酵母で、それぞれ日本酒を試験醸造。やちや酒造では試作品を保管しています(試飲させていただきました)。一方、西出酒造では7月1日から市販するとのこと。さて、花酵母はステキな表現です。バラの酵母のお酒って聞いたら、バラ色のお酒やバラの香りのするお酒を思い浮かべます。しかし、残念ながらそういうお酒にはなりません。景表法には抵触することはないでしょうが、飲み手としては「なぁんだ」と思います。こういう技術開発の積み重ねから発見や発明が生まれるのでしょうが、それにつき合わなくちゃいけないのでしょうか。なんのためにやっているのか、「WHY」を言っていただけると、応援したくなるかもしれません。

 

その2.女性の視線が分からない

県の酒造組合が運営する「清酒地域ブランド推進連絡会」が、女性の視線から地酒の楽しみ方を探るために、9人の女性ゲストから意見を聞きました。私は「女性の視線」とか「女性目線」には懐疑的です。女性のものの見方というのは確かにあるのでしょうが、女性に聞いたらそれが分かる、とは思わないのです。例えばこの会議に出ている藤田美穂さんや金七聖子さんは、酒蔵の経営者として発言している、かもしれないのです。女性経営者としての発言だ、という方がいるかもしれません。でもそうなると、一般女性の視線、働く女性の視線、女子高生の視線とか細分化することになり、抽象化された女性の視線というものが、本当にあるのか、あるとして、それは本当に有効な視線のか、分からなくなります。又聞きですが、会議などで、女性が女性らしい思考法で考え発言するためには、他にも女性が何人かいることが必要なのだそうです。男に囲まれて議論していると、女性といえども男性の立場に配慮した思考になるのだそうです。さてさて、この記事の中で藤田美穂さんが「飲んでおいしい、飲んだら楽しくなる、それがお酒の魅力」ときっぱり発言しているのが、男とか女とかあれこれ考えるよりも、品質勝負でしょうと言っているようで、痛快です。

 

その3.酒と知的財産権

「日本酒」という表記を国産の原材料だけを使ったものだけに認める「新基準」を国税庁がつくろうとしています。これは日本酒ブランドを守り、日本酒の輸出を促進するための保護政策であると新聞にはあります。これはいいことだと思うのですが、分からないところもあります。すごく具体的なことです。この新基準が国際的に認められると、カリフォルニア米でつくったカリフォルニア清酒は「日本酒」と表記できなくなります。英訳した「Japanese-Sake」の表記ができない訳ですが、現状でもアメリカでは日本酒をSakeと表記して販売しているらしいのです。そりゃそうだ、Sakeは日本酒だけですもの。ラベルをわざわざ作り直してJapanese-Sakeと表記するでしょうか。そしてカリフォルニア清酒もSakeという表記のままでしょうから、この制度の効果には疑問符がつきます。ただね、政策の不備を指摘して溜飲を下げるつもりはないのですよ。私たちがスコッチ・ウィスキーに憧れるのと同じように、外国の方から日本酒の良さを認めてもらいたいと思っていて、そのためになにができるかを考えたいのです。石川県民にとっても大切な地域資源ですから。で、ここから先は新聞ネタではなくて、東京で受講した酒蔵ツーリズム研修で、講師の平出淑恵さんがおっしゃっていたこと。ヨーロッパの日本酒バイヤーは、純米酒や吟醸酒だけではなく、普通酒も欲しがっている。理由は純米、吟醸だけでは味の変化に乏しいし、価格的にも高い。味も価格もバリエーション豊富な方が、浸透させやすいとのこと。これは面白い指摘だと思います。ブランディングをするときに、針のように尖らせるのも方法ですが、ある程度進んだら、間口を広げることが必要になる。とすると、確立すべき日本酒ブランド、日本酒のブランド・アイデンティティとはなにかを、考える必要があります。日本酒を輸出するという新しい時代から見たとき、日本酒の魅力ってなんでしょう。考えてみませんか。長文になりました。これで終わります。

 (平成27年6月18日書き込み)

先にお断りしておきます。上の広告は私の作品ではありません。この広告から触発されたことを書きます。

「菊姫」の新聞広告です。北陸中日新聞「全国植樹祭2015」特集号(517日)に掲載しています。全国新酒鑑評会に「物申す」のは菊姫の一貫した姿勢です。その意味ではぶれていないのですが、姿勢を変えていないつもりが、取り巻く環境の変化に気がついていないように私には見えます。鑑評会やカプロン酸エチル高生産酵母への対抗策として、「昔ながらの香りと味のバランスの取れた飲み飽きしない後味のキレが良い吟醸酒を造り続けます」というだけでは、説明が足りません。飲めばわかると言われたら、それはその通りなのですが、広告は飲むかどうかを決めるためのものでもあります。広告コピーはこれに続けて自らを「主流ではなくなってしまいました」と書いています。この文脈からすると「カプロン酸」が主流ということになりますが、その時代認識そのものを検証し、一世を風靡した菊姫がどうして主流でなくなったのかを、考えるべきだと思います。菊姫は私に日本酒の世界を開いてくれたお酒です。10年後の日本酒の世界を指し示していただけないでしょうか。期待しています。(平成27517日書き込み)


商品開発

ルビーロマンのワイン「ルビーの輝き」を飲みました。わずかな量を試飲しただけですけどね。720mlで54,000円、私には縁のない世界です。酒好きの立場からすると、ワイン品種でないブドウを使ったこのワインは「きわもの」でしかありませんが、私も商品開発を仕事にしている者のひとりとして、開発者の小池田社長(サカイダフルーツ)からお聞きした開発の経緯は、大いに参考になり、共感もしました。わたし流のいい方をするなら「だからきわものはダメなんだ」といわれないように、用意周到に取り組まれています。原料のブドウの98.5%がルビーロマンで、残りの1.5%がロゼ色を出すために使った穴水産ヤマソーヴィニヨン。補糖をせずに、ルビーロマンのジュースを加えるジュースリザーブ法で味を整えています。容器の瓶は九谷焼を特注。ワインを磁器に詰めるのは世界初なので、保存性をワインの専門家に確かめています。コルクの打栓も初めてなので強度試験もしています。ぶどう色を出すために九谷では使わない特別の色を調達し、なおかつ銀箔を貼りつけています。2年がかりで挑戦した粘り強さにも感銘しました。ここまで頑張った原動力は、ぶどう農家を応援したいという、果物屋さんとしての使命感にあります。実はこの点に一番興味を持ちました。同じ素材でも商品化に取り組む人の立ち位置によって、アウトプットが違ってくるのでしょうね。私ならルビーロマンから何をつくるでしょう、時間をかけて考えてみます。(H27年4月10日書き込み)


気を引くコピーは絵が見える

 

このテキストはずっと昔に商店主などを対象に開いたコピー講座で使用したものですが、いまも彼らが作成するチラシやWEBのためのコピーづくりを説明するときは、このテキストをベースにするでしょう。以下本文です。

 

良いキャッチコピーとは、読んだだけで場面を思い浮かべられるものです。それを書くための手順をお話しします。

 

雑誌の見出しはキャッチコピーのお手本

 

キャッチコピーのお手本になるのが週刊誌や月刊誌の見出しです。新聞に掲載されている雑誌の広告が、良い教材になります。

お客様は読みたい記事が載っている雑誌を買いますから、広告には記事の見出しがたくさん並んでいます。この見出しのつけ方が巧みで、大いに参考になります。

ところで、見出しは記事の要約ではありません。私たちは国語の勉強で、この作品の内容を短文にまとめましょう、などと習ったものですから、内容の要約を見出しにすると考えがちです。しかし、見出しで中身が分かったら誰も雑誌を買いません。見出しとは読みたいと思わせる「売り文句」です。

 

ところが近年は雑誌広告の出稿が減ってしまいました。そこでこの説明には本の雑誌「ダビンチ」を活用します。同誌にはその月に発行された書物のタイトルがずらっと並んでいます。

本のタイトルもまた、その役割は内容の要約ではなく、目を引き、手に取らせ、購買意欲をかきたてることにあります。

 

キャッチコピーの要素

 

雑誌の見出しや本のタイトルを見比べると、目を引くものには共通した特徴があります。

1.名詞+動詞の組み合わせ

 例「見せる棚と隠す棚」(雑誌A誌)

 キャッチコピーでは形容詞をあまり使いません。抽象的すぎて、絵が思い浮かばないからです。動詞を使うと動きが生まれます。この見出しは対比の手法で、意味をより鮮明にしています。

2.たたみかけ

 例「花名所で桜の膳を」(雑誌B誌)

 1番の例は対比で印象を強めていますが、こちらは同系の要素の繰り返しで、記憶に残るように仕向けています。使っている単語は日常用語ですが、単語の積み重ねが、絵を思い浮かべる手助けになっています。

3.異質な言葉の組み合わせ

 例「その人、ワーキング・ミューズ」(雑誌C誌)

 ワーキング・ミューズとは働く女神とでも訳せば良いのでしょうか、ファッション誌らしいケレンが効いています。ワーキングとミューズという異質なものを組み合わせた造語の面白さ、斬新さで印象づけています。

 

コピーを書く前にTPO分析を

 

キャッチコピーを書くためには「売りたい理由」と「欲しい理由」の両方を知る必要があります。TPO分析がそのための良い方法です。Tは時間(time)、Pは場所(place)、Oは商品力(object=)。VANの創始者、石津謙介氏が考案したTPOを私なりにアレンジしたものです。ですから世間的には通用しませんので、こっそり使いましょう。

 

TPO分析の実習

 

対象となる商品やサービスが使われる時間と場所、特徴をできるだけたくさん書き出します。「タマゴ」を例題にします。

 T(時間) ①朝  ②昼  ③夜

 P(場所) ④家庭 ⑤弁当 ⑥遠足

 O(商品力)⑦鮮度 ⑧栄養 ⑨価格

これらの要素を組み合わせてみて、絵が見えたり、ピンと来るものがあれば、使えるキャッチコピーにです。

・朝食に生タマゴ、新鮮です。(①④⑦)

・ランチ+タマゴ、元気が出ます(②⑤⑧)

・今晩はタマゴ料理、母さんの味(③④)

・タマゴ焼きは遠足のお約束!(⑥)

TPOの各要素をたくさんの書き出すことが、コピーづくりのコツです。タマゴ屋さんなら、もっとたくさん書き出すことができるでしょう。

 

「らしい」コピーを書きましょう。

 

キャッチコピーは心に届く言葉でなければなりません。それは、例えば、専門家が語る“本当の話”です。コピーライター「もどき」の気取ったコピーは、底が浅く、印象に残りません。専門家だからこそ知っていることを書けば、経験に裏付けられ、臨場感のある、魚屋さんらしいコピー、薬剤師らしいコピーなど、「らしい」コピーになります。売り場に立っている皆さんにそれを期待しています。(2015年3月書き込み)



 コピーライターです。


私はコピーライターです。そう聞くと、言葉をたくさん知っている人を思い浮かべるかも知れませんが、私は言葉をあやつるタイプのコピーライターではありません。

金沢弁でコピーを作れないか、と業界人の酒席で試されたある女性コピーライターは、「しましまにしまっしま」と金沢弁のイントネーションで応えた、という伝説があります。私にはこういう即興の技はありません。

コピーライターは結果的に巧い言葉にたどり着かなければならないのですが、そこに行き着くまでの道筋を構築する作業が不可欠です。思いつきだけでコピーを書き始めることはありません。

広告のコピーは、普通の人の心に届くように、普通の言葉づかいで書くものである、と私は考えています。名文美文ではなく、むしろ、スンナリ読める文章を書くことに心がけています。

インパクトのあるキャッチコピーの作り方を聞かれることがあります。どうしてインパクトが必要なのか、私には理解できませんが、仕事なので、週刊誌や女性誌の新聞広告に目を通すようにアドバイスしています。

雑誌広告には目玉記事の見出しが並んでいます。読んでみたいと思わせる見出しがあれば、それが旨いキャッチコピーです。それを真似れば、いずれ書けるようになります。

キャッチコピーを書くコツは「動詞+名詞」にすることです。昔懐かしいコピーでいうと、「ゆれるまなざし」などがその例です。動きのある表現で具体的な絵を想像させます。形容詞+名詞では平凡すぎて想像力を刺激しません。

もうひとつのコツは「異質な単語の組み合わせ」です。「地域づくり円陣」という石川地域づくり協会のイベントは、私がネーミングしました。異質な単語を組み合わせることで印象を強めています。

広告コピーを作るのは出産に似ています。赤ちゃん(製品や商品)を生むのはクライアントであり、コピーライターは助産士や名付け親に過ぎません。

このようなコピーライターの技術を地域づくり活動にも活かし、地域づくりをコーディネートしています。(2012年3月)